8月5日にスカパーJSAT(9412)が決算を発表しました。
スカパーの株価はここ数年右肩上がりになっていましたが、直近3か月は荒れた動きとなっていました。5月26日に終値で4,570円をつけたあと6月に急落し、下旬からは2,000円台での横ばいが続きます。決算の直前は2,200円前後で、高値の半分以下に戻っていました。
それではさっそく決算について確認していきます!

決算チェック(9項目)
① 売上と4つの利益
| 項目 | 2026年4〜6月 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 営業収益 | 333.9億円 | +12.0% |
| 営業利益 | 108.9億円 | +36.0% |
| 経常利益 | 113.7億円 | +38.3% |
| 純利益 | 82.3億円 | +49.6% |
売上にあたる営業収益が+12%なのに対して、利益はどれも30%以上伸びています。営業収益に対する営業利益の割合も26.9%から32.6%に上がりました。売った金額が増えた以上に、手元に残る割合が増えています。
② 通期予想に対する進捗率
| 項目 | 通期予想 | 前期比 | 今期1Qの進捗率 | 前年1Qの進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 営業収益 | 1,350億円 | +5.8% | 24.7% | 23.4% |
| 営業利益 | 390億円 | +10.6% | 27.9% | 22.7% |
| 純利益 | 270億円 | +15.8% | 30.5% | 23.6% |
第1四半期の単純な目安は25%です。それと比べても、前年の同じ時期と比べても、今期のほうが速いペースでした。営業利益は22.7%から27.9%、純利益は23.6%から30.5%に上がっています。
③ 業績予想の修正
修正なし。会社は5月に出した通期予想を据え置いています。
④ セグメントと増減の理由
| セグメント | 営業収益 | 前年同期比 | 営業利益 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 宇宙事業 | 174.9億円 | +20.7% | 64.3億円 | +21.8% |
| メディア事業 | 173.2億円 | +2.4% | 46.9億円 | +59.3% |
※セグメント間の取引を含む金額のため、合計は会社全体の数字と一致しません。
利益を引っ張っているのが宇宙事業なのは以前の記事でも触れたとおりです。ただ営業収益で見ると、宇宙事業はメディア事業とほぼ同じ規模でした。
宇宙事業は安全保障の分野で22億円、航空機や船舶向けの通信で9億円の増収。メディア事業は視聴料などが6億円減った一方、光ファイバーで地上デジタル放送を再送信するサービスが11億円増え、設備の減価償却費やカスタマーセンターの費用が減ったと説明されています。
⑤ 会社ごとのKPI
スカパーJSATの場合は、有料放送「スカパー!」の加入件数です。241万件で、この3か月で4万件の純減でした。
⑥ 自己資本比率と借入
自己資本比率は76.3%で、前期末の74.4%から上がっていました。借入金も3か月で60億円ほど返しています。40%を超えていれば財務に余裕があるとされます(目安は業種によって変わります)。
「建設仮勘定」は建設中の設備を指す項目です。この金額が789億円から931億円に増えていて、大きな設備投資が進んでいると思われます。
⑦ キャッシュフロー
| 区分 | 金額 | 何のお金か |
|---|---|---|
| 営業キャッシュフロー | +166.7億円 | 本業で稼いだ現金 |
| 投資キャッシュフロー | -186.3億円 | 設備などへの投資 |
| 財務キャッシュフロー | -128.1億円 | 借入の返済と配当 |
本業で稼いだ167億円に対して、設備の取得に177億円を払っています。手元の現金は3か月で146億円減って430.3億円になりました。
⑧ 配当
| 中間 | 期末 | 年間 | |
|---|---|---|---|
| 2026年3月期(実績) | 19円 | 23円 | 42円 |
| 2027年3月期(予想) | 24円 | 24円 | 48円 |
年間で6円の増配予想で、こちらも修正はありません。
⑨ コンセンサス予想との比較
マネックス証券の銘柄スカウターで、2027年3月期の営業利益のアナリスト予想を確認しました(2026年8月時点)。
| 金額 | 会社予想との差 | |
|---|---|---|
| 会社予想 | 390.0億円 | — |
| コンセンサス(アナリスト予想の平均) | 410.2億円 | +5.2% |
| いちばん強気な予想 | 426.5億円 | +9.4% |
| いちばん慎重な予想 | 404.5億円 | +3.7% |
いちばん慎重な予想でも、会社予想の390億円を上回っています。
②の営業利益の進捗率は、会社予想に対しては27.9%でしたが、コンセンサスの410.2億円に対しては26.5%と少し下がりました。
決算を読んでみて
今回の決算は増収増益で、通期予想に対する進捗も前年の同じ時期より速いものでした。財務にも余裕があり、配当は48円への増配予想が据え置かれています。
セグメント別にみると、宇宙事業が安全保障の分野で伸びていて、メディア事業は会員が減るなかコストを絞って稼いでいる構図でした。「スカパー!」の加入件数は減り続けていますが、それを補うだけの伸びが宇宙事業にあるため、私はあまり気にしていません。
決算そのものは良かったと思います。ただ⑨で見たとおり、市場はもともと会社予想を上回る水準を見込んでいました。そのため今回の内容はいい意味で期待を裏切るものではなく、可もなく不可もなくという印象です。
まとめ
- 2026年4〜6月の決算は増収増益(営業収益+12.0%・純利益+49.6%)。進捗率は前年の同じ時期より速いが、通期予想は据え置き
- 増収の中心は宇宙事業の安全保障分野(+22億円)。メディア事業はコスト削減で利益を伸ばした一方、有料放送「スカパー!」の加入件数は3か月で4万件の純減
- 自己資本比率は76.3%、年間配当42円から48円への増配予想も据え置き
- 会社予想390億円に対してアナリストの平均は410.2億円で、いちばん慎重な予想でも会社予想を上回っていた
※記載の数字はすべて執筆時点(2026年8月)のものです。個別銘柄の売買を勧めるものではありません。


