2026年9月10日に住宅メーカーの積水ハウス(1928)が決算を発表しました。1月が決算期の会社なので、今回は中間期(2〜7月)の内容となっています。
発表は株式市場の昼休み中の12時で、株価は午後に上がって前日比1.5%高の3,372円で終えています。
それではさっそく確認していきます!

決算チェック(9項目)
① 売上と4つの利益
| 項目 | 2026年2〜7月 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1兆9,656億円 | -2.5% |
| 営業利益 | 1,803億円 | +16.0% |
| 経常利益 | 1,690億円 | +23.8% |
| 純利益 | 1,250億円 | +23.1% |
売上高は2.5%減りましたが、営業利益は16.0%増えています。会社によると、営業利益・経常利益・純利益はどれも中間期として過去最高です。
② 通期予想に対する進捗率
| 項目 | 通期予想 | 前期比 | 今期中間の進捗率 | 前年中間の進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 4兆2,600億円 | +1.5% | 46.1% | 46.5% |
| 営業利益 | 3,500億円 | +2.5% | 51.5% | 45.7% |
| 経常利益 | 3,160億円 | -3.6% | 53.5% | 42.6% |
| 純利益 | 2,240億円 | -3.5% | 55.8% | 43.8% |
※通期予想は今回の修正後の数字です。
売上高の進捗率は前年並みで、利益は3つとも前年の同じ時期より進んでいます。
③ 業績予想の修正
会社は3月5日に出した通期の予想を修正しました。
| 項目 | 修正前 | 修正後 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 4兆3,530億円 | 4兆2,600億円 | -930億円 |
| 営業利益 | 3,500億円 | 3,500億円 | 変わらず |
| 経常利益 | 3,140億円 | 3,160億円 | +20億円 |
| 純利益 | 2,180億円 | 2,240億円 | +60億円 |
売上高の引き下げのうち840億円は国際事業の分で、会社は米国の戸建住宅の回復の遅れを理由に挙げています。純利益を引き上げたのは、政策保有株式(取引先との関係などで持っている株)を売って出る利益が増える見込みだからです。
④ セグメントと増減の理由
| 事業の型 | 2026年2〜7月 | 前年同期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 請負型(戸建住宅・賃貸住宅などの建築) | 756億円 | 769億円 | -1.6% |
| ストック型(賃貸住宅の管理・リフォーム) | 567億円 | 501億円 | +13.3% |
| 開発型(不動産の分譲・売却) | 598億円 | 279億円 | +114.1% |
| 国際(米国・オーストラリアなど) | 10億円 | 152億円 | -93.2% |
※営業利益です。全社の費用などを差し引く前の金額なので、4つを足しても会社全体の営業利益とは一致しません。
開発型では、都市再開発の営業利益が50億円から273億円に増えました。積水ハウス・リート投資法人などに6物件を売却したためです。マンションも「グラングリーン大阪」の住戸の引き渡しで、85億円から157億円になりました。
国際では、米国の戸建住宅事業が29億円の赤字から125億円の赤字に悪化しました。
⑤ 会社ごとのKPI
積水ハウスの場合は、国際の利益を大きく減らした米国の戸建住宅の引渡戸数と受注戸数です。
| 項目 | 2026年2〜7月 | 前年同期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 引渡戸数(引き渡した家の数) | 4,572戸 | 6,064戸 | -1,492戸 |
| 受注戸数(新しく契約した家の数) | 5,509戸 | 6,631戸 | -1,122戸 |
米国では住宅ローン金利の上昇などで、買い手の様子見が続いています。会社はインセンティブ(値引きなどの販売奨励)も減益の理由に挙げています。
国内は、毎月の受注速報で2〜7月の受注額が前年並み(前年比102%)でした。
⑥ 自己資本比率と借入
自己資本比率は44.0%で、前期末の42.7%から上がりました。
⑦ キャッシュフロー
2〜7月の営業キャッシュフローは889億円のプラスで、前年同期の129億円のマイナスから改善しました。おもな理由は、在庫(販売用の土地や建物など)を増やすのに使ったお金が、前年の1,495億円から9億円に減ったことです。
⑧ 配当
| 中間 | 期末 | 年間 | |
|---|---|---|---|
| 2026年1月期(実績) | 72円 | 72円 | 144円 |
| 2027年1月期(期末は予想) | 72円 | 73円 | 145円 |
年間配当は1円の増配予想で、3月の公表から修正はありません。会社は15期連続の増配を計画しています。中間配当の72円は9月30日から支払われます。
配当性向(純利益のうち配当に回す割合)は前期の40.2%から42.0%に上がる見込みです。
⑨ コンセンサス予想との比較
マネックス証券の銘柄スカウターで、2027年1月期の営業利益のアナリスト予想を確認しました(2026年9月10日時点)。
| 金額 | 会社予想との差 | |
|---|---|---|
| 会社予想 | 3,500億円 | — |
| コンセンサス(アナリスト予想の平均) | 3,474億円 | -0.7% |
| いちばん強気な予想 | 3,600億円 | +2.9% |
| いちばん慎重な予想 | 3,302億円 | -5.7% |
アナリストの平均は、会社予想とほぼ同じ水準です。
決算を読んでみて
今回の決算は減収増益で、開発型の営業利益の増加(319億円)が国際の減少(142億円)を上回りました。
ただし会社の予想では、1年間の純利益は前期より3.5%少ない2,240億円で、下期は前年同期を下回る見込みです。その理由のひとつは物件を売る時期で、都市再開発は前年の下期に431億円の営業利益がありましたが、今年は中間で計画をほぼ出し切ったため下期の分は2億円しか残っていません。中間の増益にはこの時期のずれも効いているので、過去最高という言葉ほど強い決算ではないかなという印象を持ちました。
まとめ
- 積水ハウスの2026年2〜7月は、売上高-2.5%・営業利益+16.0%の減収増益。会社によると利益はどれも中間期として過去最高
- 増益は開発型が319億円増えたためで、国際は米国の戸建住宅の赤字拡大などで142億円減った
- 通期の予想は売上高を930億円引き下げ、純利益を60億円引き上げた。それでも純利益は前期比3.5%の減益予想
- 144円から145円への増配予想は3月の公表から変わらず、15期連続の増配を計画している
決算のどこを見るかは決算の見方【AIとチェックリストを作ってみた】にまとめています。
※記載の数字はすべて執筆時点(2026年9月)のものです。個別銘柄の売買を勧めるものではありません。

