2026年8月4日にタカラトミー(7867)が決算を発表しました。3月が決算期の会社なので、今回は第1四半期(4〜6月)の内容となっています。
株価は昨年からじりじりと下げ、5月には2,500円台まで落ちていましたが、前回の決算(5月12日)をはさんで7月末には3,700円台をつけています。
それではさっそく確認していきます!

決算チェック(9項目)
① 売上と4つの利益
| 項目 | 2026年4〜6月 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 640.5億円 | +7.7% |
| 営業利益 | 55.1億円 | +19.9% |
| 経常利益 | 56.3億円 | +13.4% |
| 純利益 | 40.6億円 | +19.6% |
売上高が+7.7%なのに対して、営業利益は+19.9%と伸びが大きくなっています。
② 通期予想に対する進捗率
| 項目 | 通期予想 | 前期比 | 今期1Qの進捗率 | 前年1Qの進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,850億円 | +5.4% | 22.5% | 22.9% |
| 営業利益 | 260億円 | +7.2% | 21.2% | 20.9% |
| 純利益 | 180億円 | +54.1% | 22.5% | 24.2% |
進捗率は前年の同じ時期とほぼ変わりません。タカラトミーは年末商戦のある下期の比重が大きい会社です。前期も上期の1,278.8億円に対して下期は1,425.7億円でした。
純利益の前期比+54.1%が大きいのは、前期に米国子会社ののれん(会社を買収したときに上乗せして払った分)の減損損失48.6億円を計上して純利益が116.8億円まで落ちたためですが、この減損がなくても通期予想は前期を上回ります。
③ 業績予想の修正
修正なし。会社は5月12日に出した予想を据え置いています。上期(4〜9月)の営業利益は前年から2.0%減の115億円の見込みです。
④ セグメントと増減の理由
| セグメント | 売上高 | 前年同期比 | 営業利益 | 前年同期 |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | 564.3億円 | +8.0% | 61.6億円 | 58.5億円 |
| アジア | 204.6億円 | +20.9% | 8.5億円 | 6.5億円 |
| アメリカズ(南北アメリカ) | 51.0億円 | -6.7% | 4.0億円 | -2.5億円 |
| 欧州 | 14.7億円 | +45.4% | -1.3億円 | -2.1億円 |
| オセアニア | 7.3億円 | +40.4% | 0.4億円 | 0.0億円 |
※セグメント間の取引を含む金額のため、合計は会社全体の数字と一致しません。
アジアは売上高が+20.9%、営業利益が+29.7%と増えています。香港と台湾で「BEYBLADE X」の販売が伸び、5月には香港にアジア5店舗目の「TOMICA BRAND STORE」を出しています。
アメリカズは4月に稼働したERP(基幹業務システム)の不具合で出荷が遅れ、減収でした。それでも営業利益が黒字に変わったのは、米国の関税の還付などがあったためです。会社はこの還付が連結の営業利益を約10億円押し上げたとしています。
⑤ 会社ごとのKPI
タカラトミーの場合は、主力商品のカテゴリー別売上高です。
| カテゴリー | 2026年4〜6月 | 前年同期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| プリスクール(トミカ・プラレールなど) | 81億円 | 72億円 | +9億円 |
| ファッショントイ(リカちゃんなど) | 15億円 | 13億円 | +2億円 |
| アクショントイ(ベイブレード・カードゲームなど) | 117億円 | 134億円 | -17億円 |
いちばん大きいアクショントイが17億円減りました。「BEYBLADE X」はアジアで伸びたものの、トレーディングカードゲームの「デュエル・マスターズ」に前年のコラボ商品の反動減が出たためです。会社は計画どおりだと説明しています。
会社全体の売上高が増えたのは、この表に入らない商品や子会社が伸びたからです。会社はタカラトミー本体の「ポケモン」関連商品、タカラトミーアーツの「ガチャ」やぬいぐるみ、キデイランドの新店を理由に挙げています。
⑥ 自己資本比率と借入
自己資本比率は67.9%で、前期末の68.0%からほぼ横ばいです。
⑦ キャッシュフロー
現金及び預金は前期末の510.9億円から386.3億円まで、3か月で124.6億円減りました。このうち43.7億円は自社株買いに使っています。
⑧ 配当
| 中間 | 期末 | 年間 | |
|---|---|---|---|
| 2026年3月期(実績) | 32円 | 32円 | 64円 |
| 2027年3月期(予想) | 35円 | 35円 | 70円 |
年間配当は6円の増配予想です。こちらも修正はありません。配当性向(純利益のうち配当に回す割合)は前期の48.7%から33.8%に下がる見込みですが、これは減配ではなく、純利益の予想が大きく増えるためです。
自社株買いも進んでいます。会社は2月に上限300万株・100億円の取得を決めていて、この3か月で163万7,300株を43.7億円で買いました。
⑨ コンセンサス予想との比較
マネックス証券の銘柄スカウターで、2027年3月期の営業利益のアナリスト予想を確認しました(2026年8月28日時点)。
| 金額 | 会社予想との差 | |
|---|---|---|
| 会社予想 | 260.0億円 | — |
| コンセンサス(アナリスト予想の平均) | 272.4億円 | +4.8% |
| いちばん強気な予想 | 280.0億円 | +7.7% |
| いちばん慎重な予想 | 266.0億円 | +2.3% |
いちばん慎重な予想でも、会社予想の260億円を上回っています。
1Qの営業利益は会社予想260億円に対して21.2%の進捗でしたが、コンセンサスの272.4億円に対しては20.2%に下がります。
決算を読んでみて
今回の決算は増収増益で、営業利益は46.0億円から55.1億円へ9.1億円増えました。一方で、この9.1億円は関税の還付で乗った約10億円とほぼ同じ額で、実際にはこれがなければ営業利益は前年並みでした。通期予想が下方修正されたわけではないので、悪い決算というわけではないですが、特別良いわけではないかな、といった印象を持ちました。
まとめ
- タカラトミーの2026年4〜6月は、売上高+7.7%・営業利益+19.9%の増収増益。通期予想は据え置き
- ただし営業利益の増加9.1億円は関税の還付による約10億円とほぼ同じ額で、これがなければ前年並みだった
- 会社予想260億円に対してアナリストの平均は272.4億円で、いちばん慎重な予想でも会社予想を上回っている
- 年間配当は64円から70円への増配予想で、修正はなし。上限100億円の自社株買いも進んでいる
決算のどこを見るかは決算の見方【AIとチェックリストを作ってみた】にまとめています。
※記載の数字はすべて執筆時点(2026年8月)のものです。個別銘柄の売買を勧めるものではありません。


