2026年8月7日にリース会社の三菱HCキャピタル(8593)が決算を発表しました。3月が決算期の会社なので、今回は第1四半期(4〜6月)の内容となっています。
株価は昨年10月に1,100円台まで下げたあと1,500円台まで戻し、決算前は1,400円台で推移していました。
個人的には配当と言えば三菱HCキャピタル、と思うくらいには信頼している銘柄です。
それではさっそく確認していきます!

決算チェック(9項目)
① 売上と4つの利益
| 項目 | 2026年4〜6月 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 5,391億円 | -7.8% |
| 営業利益 | 471億円 | -42.9% |
| 経常利益 | 464億円 | -41.7% |
| 純利益 | 316億円 | -44.8% |
売上高の減少が7.8%なのに対して、利益はどれも4割以上減っています。売上高に対する営業利益の割合も14.1%から8.7%に下がりました。
② 通期予想に対する進捗率
| 項目 | 通期予想 | 前期比 | 今期1Qの進捗率 | 前年1Qの進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 純利益 | 1,600億円 | -1.4% | 19.8% | 35.8% |
三菱HCキャピタルが通期の予想を出しているのは純利益だけです。
進捗率が前年より下がったのは、環境エネルギー・航空・ロジスティクス・不動産の4事業で保有資産の売却益が下期に寄る計画だからです。会社は概ね予定どおりだとしています。
③ 業績予想の修正
修正なし。会社は5月15日に出した予想を据え置いています。
④ セグメントと増減の理由
| セグメント | 2026年4〜6月 | 前年同期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| カスタマーソリューション(法人・官公庁向け) | 91億円 | 92億円 | -1.4% |
| 海外カスタマー(欧州・米州・アジアなど) | 63億円 | 9億円 | +584.2% |
| 環境エネルギー | -32億円 | -7億円 | — |
| 航空 | 92億円 | 189億円 | -51.3% |
| ロジスティクス | 73億円 | 146億円 | -49.7% |
| 不動産 | 29億円 | 73億円 | -59.6% |
※三菱HCキャピタルのセグメント利益は純利益ベースです。どのセグメントにも入らない全社分は含みません。
海外カスタマーが増えたのは、米州のトラック向け事業で貸し倒れに備える費用が減り、前年にあったアジア・オセアニアの事業構造改革の費用もなくなったためです。
環境エネルギーは、出資している欧州の再生可能エネルギー会社の損失の取り込みが増え、赤字が25億円広がりました。
航空とロジスティクスは半減し、不動産は6割減りました。この3つは前年の反動です。前年の同じ時期には、決算の締め日を変えた子会社の利益が通常より長い期間ぶん乗っていて、不動産にも大口の資産売却益がありました。
⑤ 会社ごとのKPI
三菱HCキャピタルの場合は、インカムゲイン・アセット関連損益・契約実行高の3つです。
| 項目 | 2026年4〜6月 | 前年同期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| インカムゲイン(毎期入ってくる利益) | 1,029億円 | 986億円 | +43億円 |
| アセット関連損益(資産を売って出る利益) | 84億円 | 145億円 | -61億円 |
| 契約実行高(新しく結んだ契約の金額) | 9,185億円 | 7,020億円 | +2,165億円 |
※前年同期は、決算の締め日を変えた子会社の影響を除いた金額です。
会社はインカムゲインとアセット関連損益の2つを両輪と呼んでいます。新しく結んだ契約の金額は30.8%増えました。今回減ったのは資産を売って出た利益のほうで、毎期入ってくる利益は4.4%増えています。
⑥ 自己資本比率と借入
自己資本比率は15.1%で、前期末の15.2%からほぼ横ばいです。有利子負債は2,244億円増えて10兆1,048億円、総資産も2,248億円増えて13兆3,144億円になりました。
⑦ キャッシュフロー
現金及び預金は前期末の3,660億円から3,179億円まで、3か月で481億円減りました。
⑧ 配当
| 中間 | 期末 | 年間 | |
|---|---|---|---|
| 2026年3月期(実績) | 22円 | 24円 | 46円 |
| 2027年3月期(予想) | 25円 | 26円 | 51円 |
年間配当は5円の増配予想で、修正はありません。会社はこれで28期連続の増配になるとしています。
配当性向(純利益のうち配当に回す割合)は前期の40.7%から45.8%に上がる見込みです。
⑨ コンセンサス予想との比較
マネックス証券の銘柄スカウターで、2027年3月期の営業利益のアナリスト予想を確認しました(2026年9月6日時点)。
| 金額 | |
|---|---|
| 会社予想 | — |
| コンセンサス(アナリスト予想の平均) | 2,247億円 |
| いちばん強気な予想 | 2,390億円 |
| いちばん慎重な予想 | 2,042億円 |
会社は営業利益の予想を出していませんが、前期の実績2,404億円と比べると、アナリストは6.5%の減益を見ていることになります。
決算を読んでみて
今回の決算は減収減益でした。純利益は572億円から316億円へ256億円減っています。ただし、このうち228億円は前年の同じ時期に子会社の決算の締め日を変えた影響で利益が多めに乗っていた分で、会社はこれを除くと28億円・8.2%の減益としています。
反動を除いた28億円の減益は資産を売って出た利益が61億円減ったためで、毎期入ってくる利益も新しく結んだ契約も増えているので、稼ぐ力が落ちた決算ではないと思っています。
まとめ
- 三菱HCキャピタルの2026年4〜6月は、売上高-7.8%・純利益-44.8%の減収減益。通期の予想を出しているのは純利益だけで、修正はなし
- 減益の256億円のうち228億円は、前年に子会社の決算の締め日を変えた影響で利益が多めに乗っていた分の反動。これを除くと8.2%の減益
- インカムゲインは4.4%増え、新しく結んだ契約の金額は30.8%増えている
- 46円から51円への増配予想は5月の公表から変わらず、28期連続の増配になる予定
決算の確認の仕方は、決算の見方【AIとチェックリストを作ってみた】にまとめています!
※記載の数字はすべて執筆時点(2026年9月)のものです。個別銘柄の売買を勧めるものではありません。


